野球選手が改めてウォーミングアップの目的や意味を理解し、適切な方法が実践できると、その後の身体の状態は大きく変わると思います。

それぐらいウォーミングアップには意味があり、目的通りの方法を行うことで「身体の動かしやすさ」「スムーズな動作」などができるようになります。

結果的には「ケガの予防」「反応が早くなる」など、その後に行う練習や試合でベストパフォーマンスを発揮しやすくなるんですね。

この記事では、

・野球選手に行ってほしいウォーミングアップの5つのメニュー
・ウォーミングアップで気をつけてほしいポイント

などをパーソナルトレーナー歴12年の伊藤出(@izuru_style)が解説します。

 


今回の記事の内容

ウォーミングアップの意味や効果

僕が学生時代、なんとなくウォーミングアップを行っていた記憶がありますが、そもそもどのような目的や意味があるのでしょうか?

ウォーミングアップの目的

野球選手がウォーミングアップを行う一番の目的は、

ウォーミングアップ後に行う野球の動作をスムーズにし、動きやすくする

ためです。

もう少し具体化すると、

・体温を上げる
・動作や動きをしやすくする
・反応を早める

などが該当します。

このためには、それぞれの目的を達成するような刺激を身体に加える必要があり、この刺激が加えられるとウォーミングアップの意味をより体感できると思います。

ウォーミングアップの効果

続いてはウォーミングアップの効果についてですが、簡潔にまとめると以下の通りです。

・柔軟性が向上し、身体を動かしやすくなる
・可動域が広がり、スムーズに身体が動かしやすくなる
・体温が上がり、筋肉がほぐれる
・ケガの予防になる
・反応が良くなる

などの効果が期待できるんですね。

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いずる

この中でも一番体感していただきたいのは、身体がよりスムーズに動くということですね。

では、こういった効果を引き出すためには、どのようなことをすればいいのでしょうか?

実際現場では以下の内容を指導しているため、そのままやっていただくと効果を実感できると思います。

 

野球のウォーミングアップメニュー①:ランニングなどで体温を上げる

まず最初に行ってほしいことは、

ランニングなどで体温を上げる

ことです。

いきなりストレッチから入る選手やチームもあるかもしれませんが、1番最初にやるべきことは体温を上げることなんですね。

具体的な方法としては、

・ランニング
・縄跳び
・その場ジャンプ
・サッカー

など、その時々の時間や環境に合わせて方法を選択しますが、まずはこういった方法などで心拍数を上げます。

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もしランニングをする場所がない場合は、以下のような方法でその場ジャンプを繰り返してみてください。

その場ジャンプで心拍数を上げる方法

1、立った状態で、脚を肩幅に開く
2、その場で軽くジャンプを繰り返す
3、これを息が上がるまで繰り返す

その場ジャンプ

バリエーションとして、左右へのジャンプを繰り返すのも効果的な方法です。

左右へのジャンプで心拍数を上げる方法

1、立った状態で、脚を肩幅に開く
2、その場で左右交互にジャンプを繰り返す
3、これを息が上がるまで繰り返す

左右へのジャンプ

こういった方法は効果的な方法である一方、ランニングなどで体温を上げる場合、どのような基準で時間などを決めればいいのでしょうか?

心臓を上下に揺らして心拍数を上げる

まずおさえておきたいことは、心拍数を上げるためには、

心臓を上下に揺らす

ということがポイントになります。

ですので、心臓を上下に揺らす方法であれば基本的に何でもOKで、環境や人数などの条件を見て具体的な方法を選択していきます。

上記でご紹介したような方法を実践することで、

・心拍数が上がる
・全身への血流量が増える
・その結果、体温が上がる

という反応が起こります。

心拍数を120拍まげ上げる

ウォーミングアップでランニングなどを行うとき、

心拍数を120拍/分まで上げる

ことが重要です。主観で言えば「はあはあドキドキし、少し汗ばむぐらい」までランニングなどを継続し、このぐらいまで心拍数をあげられると約120拍/分ぐらいになります。

そうすると、最初の目的である体温を上げるということができるんですね。

最初の段階で体温を上げておくと、筋肉もある程度柔らかい状態になってくるので、その後行うストレッチなどでより筋肉を緩めやすくなります。

 

野球のウォーミングアップメニュー②:動的ストレッチ(体操)を行う

ランニングなどで適切に体温を上げることができると、次は体操(動的ストレッチ)で全身の筋肉を緩めていきます。

体操を行う手順は、

1、(首)
2、肩(肩甲骨)
3、脊柱
4、股関節
5、膝・足首の関節

という順に、上から下に向かって行います。

実際に現場で指導する際は首のストレッチは抜いた状態で行いますが、今回は参考になるように首のストレッチも含めた全身のストレッチ方法をご紹介します。

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これは実際に現場で指導している内容になるので、そのまま実践すると効果を実感できると思います。。

1、首のダイナミックストレッチ

1、正面を向き、頭のてっぺんで小さな円を描くように回す
2、首がゴリゴリ鳴らない程度に動かす
3、同じ方向へ10回、逆方向へ10回回す

首回し

2、肩のダイナミックストレッチ(前後運動)

1、みぞおちの高さで手の小指を合わせる
2、腕を軽く落とすようなイメージで、肘を曲げながら後方へ動かす
3、そこからその反動で元の位置に戻す
4、腕を前後に20回、気持ち良く動かす

腕を前後に動かす

3、肩のダイナミックストレッチ(肩甲骨を内外へ動かす)

1、肩から腕をぶらんとリラックスして垂らす
2、へその前辺りで、手の甲と甲を合わせる
3、このとき、胸元にしわを寄せるイメージを持つ
4、ここから腕を外側に捻り、胸を張る
5、肩甲骨を内・外側に動かす
6、これを20回行う

腕を捻りながら肩甲骨を動かす

4、肩のダイナミックストレッチ:腕回し

1、身体の前側で円を描くように腕を回す
2、肩がゴリゴリ鳴らないように、気持ち良く回す
3、20回同じ方向に回したら、逆回し20回行う

腕回し

5、脊柱・股関節のダイナミックストレッチ:前屈

1、脚を肩幅に開く
2、両膝を軽く曲げ、身体をお辞儀させる
3、地面を軽くタッチするように、小さくバウンドする
4、これを20回行う

膝を軽く曲げて小さく前屈

6、脊柱・股関節のダイナミックストレッチ:後屈

1、脚を肩幅に開く
2、そこから、軽くへそを前にスライドさせるように後屈する
3、腰周りが緊張しない位置で、小さく前後に動く
4、これを20回行う

後屈

7、脊柱・股関節のダイナミックストレッチ:側屈

1、脚を肩幅に開く
2、骨盤を片側にスライドさせる
3、そこから逆方向へ身体を倒す
4、この状態で、小さく弾むように体側を伸ばす
5、左右各20回行う

側屈

8、脊柱・股関節のダイナミックストレッチ:回旋

1、脚を肩幅に開く
2、体重を軽く片脚へ寄せる
3、それと同時に体重を乗せた側に身体を捻る
4、そのまま逆側へ移動し、身体を捻る
5、これを左右20回行う

回旋

9、股関節・膝のダイナミックストレッチ:股割り

1、脚を肩幅よりも大きめに開く
2、つま先も違和感ない程度に開く
3、その状態で、しゃがみ込み股割りを行う
4、つま先と膝は同じ方向を向けておく
5、この状態で小さく50回弾む

四股ふみ

10、膝・足首のダイナミックストレッチ:屈伸

1、脚を肩幅に開いて立つ
2、そこからしゃがみ込んで、トン、トンッのリズムで屈伸を行う
3、できるだけ反動で屈伸を行う
4、これを10回行う

屈伸

こういった体操を行うと全身が動きやすい状態になりますが、続いては野球の動作をよりスムーズに行えるようなドリルを行っていきます。

 

野球のウォーミングアップメニュー③:アジリティドリル

体操で全身の筋肉が緩められると、次は野球の動きを考慮したアジリティドリルを行っていきます。

具体的な動きは、

・サイドステップ
・キャリオカ
・バック走

などですね。これらはすべて、塁間の距離で行っていきます。

サイドステップ

1、立った状態で、重心を胸辺りに設定する
2、胸辺りを進みたい方向に身体を倒すように運ぶ
3、脚はサイドステップを行う
4、このとき、体重は踝の真下に乗せた状態で行う
5、これを塁間4~6本行う

サイドステップ

キャリオカ

1、立った状態で、重心を胸辺りに設定する
2、胸辺りを進みたい方向に身体を倒すように運ぶ
3、脚は前後にクロスさせながら進む
4、このとき、体重は踝の真下に乗せた状態で行う
5、これも塁間を4~6本行う

キャリオカ

バック走

1、脚を腰幅ぐらいに開く
2、重心を胸辺りに設定する
3、この重心を後方に倒していくようにバック走を行う
4、これも塁間を4~6本行う

バック走

このアジリティドリルが終わると、

・サイドステップ → ダッシュ
・キャリオカ → ダッシュ
・バック走 → ダッシュ

というように、バリエーションをつけてダッシュも行っていきます。

さらに、アジリティドリルを抜いた状態で、さまざまなバリエーションでダッシュを行ってより身体を動かしやすくしていくんですね。

具体的な内容でいうと、

・6歩で加速してダッシュ
・3歩で加速してダッシュ
・盗塁のスタートを意識したショートダッシュ

こういった内容を各2~6本ぐらい行って、脚の動きをスムーズにしていきます。

 

野球のウォーミングアップメニュー④:バランストレーニング

そして、こういったダッシュが終わると次はバランストレーニングを行います。

野球選手の場合、軸足に体重を乗せてバッティングやピッチングを行いますが、ウォーミングアップでバランストレーニングをすると練習や試合で身体が安定しやすんですね。

その他にも、

・下半身の力を発揮しやすくなる
・ケガの予防になる
・スプリントのスピードアップにつながる

など、さまざまな効果が期待できます。

ですので、このタイミングでバランストレーニングを行っていきましょう。具体的な方法は以下の記事で紹介しているので、こちらを参考にしてみてください。

 

野球のウォーミングアップメニュー⑤:クイックネストレーニング

最後は「クイックネストレーニング」といって、脚の筋肉に最大収縮速度を経験させていきます。

ラダートレーニングなどを行う

クイックネストレーニングでは、

・ラダーを使って行う
・30cm間隔でラインを引いて行う

どちらでもOKですが、とにかく脚の筋肉を最大スピードで動かすことがポイントになります。

そうすると100%のスピードを発揮することができ、試合や練習でもすぐに自分が持つ最大スピードで走ることができるんですね。

具体的な方法を1つご紹介すると、以下のようなイメージです。

1、左右交互に1歩ずつ素早く前方向にステップを踏む
2、脚の動きにあわせて腕も自然に振る
3、これを2本行う

ラダー

このように、さまざまなバリエーションでステップを行い、最大スピードを発揮させていきます。

クイックネストレーニングは必ず毎日行うことが重要になるため、ウォーミングアップの最後に行うようにしましょう。

より具体的なメニューは以下の記事で紹介しているので、詳しく知りたい方はこちらを参考に実践してみてください。

ここまでお伝えした5つのメニューが基本的なウォーミングアップの内容となり、試合前でも練習前でも役立つと思います。

 

野球のウォーミングアップメニュー⑥:肩周りの専門的ストレッチ

基本的にウォーミングアップメニューは、上記の5つを実践するとかなり動きやすいと思います。

そしてもう1つ、キャッチボールの前に行ってほしい専門的なメニューもあるのでご紹介しますね。

肩回りの専門的ウォーミングアップメニュー

1、脚を腰幅に開く
2、膝を屈伸し、身体の前で腕を3~4回回す
3、拳を頭の後ろに落とす
4、そこから一本背負いをする
5、これを10回ほど行う

こういったリラックスした投球動作を行うと、

肩周辺の筋肉が、全て柔らかく緩む

ため、障害予防やスムーズな投球動作をしやすくなります。

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いずる

これだけでも肩・肘の痛みは防げますし、球速も上がる選手もいると思います。

ここまでお伝えした一連の流れが、実際に現場でも指導しているような内容になるので、ぜひ参考に実践してみてください。

 

野球選手に行ってほしいウォーミングアップの5つのメニューや方法のまとめ

今回は、野球選手に行ってほしいウォーミングアップの5つのメニューや方法について解説しました。

・ウォーミングアップは、体温を上げて動作をしやすくするために行う
・まず最初にやるべきことは、体温を上げること
・体温を上げるためには、心拍数を120拍/分まで上げる
・その後に体操を行い、アジリティドリルを行う
・バランストレーニングもウォーミングアップの中で行う
・クイックネストレーニングは、毎日行うことが重要
・この一連の流れを実践すると、身体はかなり動かしやすくなる

こういった内容をお伝えしました。

僕も現役のとき、ウォーミングアップの本当の意味を理解できていませんでしたが、この内容を実践すると明らかに身体の違いがわかります。

だからこそ細かくお伝えしましたし、大好きな野球をケガなくやるためにも身体の準備は重要です。

今回の内容が、野球選手や指導者の方の参考になれば嬉しく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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ちなみに、参考になりそうな記事も貼っておくので、お時間がある方はこちらもご覧ください。

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