筋トレで使う「ポジティブ」と「ネガティブ」という言葉は、精神状態を表す意味合いとは別に「動作」を表す言葉でもあるんですね。

ネガティブトレーニングと言われる筋肉を伸ばしながら刺激する方法は、“筋肉を肥大させやすい”トレーニング方法の1つです。

言葉の意味合いもそうですが、この方法を知っておくことでトレーニングのバリエーションが増え、より筋肉をつけやすくなる可能性があります。

この記事では、

・筋トレで使うポジティブとネガティブとは
・ネガティブトレーニングの効果
・ネガティブトレーニングの方法や注意点

などをパーソナルトレーナー歴12年の伊藤出(@izuru_style)が解説します。

 

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筋トレで使う「ポジティブ」と「ネガティブ」とは?

まず最初に、筋トレ時に使う「ポジティブ」「ネガティブ」の言葉の意味について解説しますね。

ポジティブの意味

筋トレで使う「ポジティブ」というのは、筋肉が縮まりながら力を発揮する状態(短縮性筋活動)のことを指しています。

例えば力こぶの筋肉で解説すると、伸ばした腕を曲げるときに力こぶの筋肉が収縮して力が発揮される。

ダンベルを持って肘を曲げる

この状態をポジティブというんですね。

ネガティブの意味

逆にネガティブとは、筋肉が伸ばされながら力を発揮している状態(伸張性筋活動)のことを指しています。

例えば、肘を曲げた状態でダンベルを持つとします。そこから、肘を伸ばしていく局面で力こぶ(上腕二頭筋)が伸ばされながら力を発揮する。

肘を曲げた状態でダンベルを持って肘を伸ばす

これをネガティブという動作になるんですね。

改めて整理をすると、

・筋肉を縮めながら力を発揮する=ポジティブ
・筋肉が伸ばされながら力を発揮する=ネガティブ

という意味になります。

そして「ネガティブトレーニング」というのは、

筋肉が伸ばされながら力を発揮するようなトレーニングのこと

を指しています。

ネガティブの方が刺激が大きい

先ほど両者の意味を解説しましたが、この2つの動作でトレーニングを行った時にかかる筋肉への刺激量が変わるんですね。

「ポジティブ動作」と「ネガティブ動作」では、ネガティブ動作の方が筋肉にかかる刺激が大きいと言われています。

約1.2~1.7倍も刺激量が大きいとも言われており、ネガティブトレーニングは筋肥大をさせやすいトレーニングでもあります。

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いずる

ネガティブ動作は負荷の大きさに関係なく「速筋」に刺激がかかり、筋肉が肥大しやすいことが研究からもわかっています。後ほど詳しく解説しますね。

 

ネガティブトレーニングの効果やメリット

ネガティブトレーニングは刺激量が大きくなりますが、先ほどもお伝えした通り、

負荷の大小に関係なく速筋に刺激が加わる

というのが大きな特徴です。

ネガティブ動作=速筋に刺激が加わる

ポジティブ動作で速筋に刺激を加えようと思うと、

・負荷の大きさ
・追い込み方
・回数

などのさまざまな要素を適切に設定する必要があります。なんとなく筋トレを行ってしまうと速筋なのか遅筋なのか、刺激を受ける場所が変わってしまう。

ただ、ネガティブ動作の場合は負荷に関係なく「速筋に刺激が加わる」ということが研究からわかっているんですね。

筋肥大しやすい

速筋に刺激が加わりやすいということは言い換えると、

筋肉を肥大させやすい

ということになります。

速筋線維は刺激を受けると太くなる性質がありますが、本来であれば「大きな力を発揮する」ときに動員される筋肉でもあります。だから筋肉をつけようと思うと、重い負荷でトレーニングする必要があるんですね。

ただネガティブトレーニングは、負荷の大小に関係なく速筋に刺激を加えることができるため、効率的に筋肥大ができる可能性があるわけです。

基礎代謝を上げやすい

上記では「筋肥大しやすい」とお伝えしましたが、これから関連することは、

ネガティブトレーニングをすると、基礎代謝も上げやすい

ということです。

筋肉が肥大して断面積が広がると、それに合わせて基礎代謝も上がります。そうすると痩せやすい体になりますし、脂肪も減らしやすい体になります。

このように、ダイエット目的の方にもおすすめできるのがネガティブトレーニングの特徴ですね。

筋肉を追い込みやすい

またネガティブトレーニングは、100%以上の刺激を加えることができるという側面から見ても、筋肉を肥大させやすいと言えます。

アームカールで言えば、

・反動を使って肘を曲げる
・ネガティブ動作を強調してダンベルを下ろす

こういった追い込み方がやりやすくなり、筋肉を限界まで追い込める。

筋肥大をするためには必ず“力を出し切る”ということが重要になるため、トレーニングの最終セットにネガティブトレーニングを入れることでも筋肉をつけやすくなると言えます。

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いずる

ボディビルダーの方などは、こういったテクニックをよく使われていますね。

このように、

・ネガティブ動作そのものが速筋に刺激を加える
・100%以上の刺激を加えられる

ということもネガティブトレーニングの大きなメリットです。

動作もシンプルで実践しやすい

別の側面から見れば、

ネガティブトレーニングの動作は非常にシンプルでわかりやすいのが特徴

です。

後ほど詳しくご紹介しますが、さまざまなトレーニング種目で負荷が筋肉かかる局面でブレーキ動作を強調すればいいだけです。動作もやりやすく、複雑な動きがないことも大きなメリットですね。

できない筋トレ種目ができるようになる

筋トレ初心者の方にぜひ知ってほしいことの1つに、

ネガティブトレーニングをすると、できない種目ができるようになる

ということがあります。

例えば筋力が弱い方の場合、

・腹筋
・腕立て伏せ

などができない方もいると思うんですね。

こういう方の場合、これらの種目のネガティブな局面を強調してまずはトレーニングを行います。

腹筋

腕立て伏せ

そうすると、

・それぞれの種目に必要な筋肉がついて筋力が上がる
・腹筋や腕立て伏せができるようになる

こういった変化が生まれます。

実際にこのような方法を現場でもアドバイスしていますが、筋トレ初心者の方には特に効果を実感されています。

もし腕立て伏せができない方は、よかったら以下の記事を参考にしてみてください。

ここまでお伝えしたように、ネガティブトレーニングの効果やメリットは数多くあるんですね。では、こういった効果を実感するためには、具体的にどのようにトレーニングを行えばいいのでしょうか?

 

ネガティブトレーニングの方法:上半身編

まずは、上半身のネガティブトレーニングの方法をご紹介しますね。

腕立て伏せのネガティブトレーニング

1、腕を肩幅に開き、腕立て伏せの状態になる
2、身体を4秒間かけてゆっくり下げる
3、手で地面を押し返すように身体を持ち上げる
4、下ろす局面を強調して行い、10回繰り返す

腕立て伏せ

ベンチプレスのネガティブトレーニング

1、ベンチに仰向けになり、肩の真上でバーを構える
2、バーの重さを感じながらバーを胸の上に下げる
3、肩の真上にバーを押し上げ、再度ゆっくりとバーを下げる
4、これを10回×3セット行う

ベンチプレスでネガティブトレーニング

ベントオーバーローイングのネガティブトレーニング

1、脚を肩幅に開き、体重を足裏全体に乗せる
2、太ももの前で、肩幅でバーを持つ
3、軽く膝を曲げ、上半身をお辞儀させる
4、へそ辺りにバーを引き寄せ、そこからゆっくりバーを下ろす
5、このとき、背中の筋肉を伸ばすようにバーを下ろす
6、これを10回×3セット行う

ベントオーバーローイングのネガティブトレーニング

サイドレイズのネガティブトレーニング

1、脚を肩幅に開き、体重を足裏全体に乗せる
2、太ももの前で、ダンベルを持つ
3、身体の横側へダンベルを持ち上げる
4、三角筋(肩)で負荷を感じながらゆっくりダンベルを下げる
5、これを10回×3セット行う

サイドレイズのネガティブトレーニング

アームカールのネガティブトレーニング

1、脚を肩幅に開き、体重を足裏全体に乗せる
2、太ももの前で、ダンベルを持つ
3、腕を軽く前に出しながら肘を曲げる
4、上腕二頭筋で負荷を感じながらゆっくりダンベルを下げる
5、これを10回行×3セット行う

肘を曲げた状態でダンベルを持って肘を伸ばす

腹筋のネガティブトレーニング

1、地面に座り、両膝を90度に曲げる
2、脚を揃え、両手は耳に当てる
3、軽く顎を引き、身体をゆっくり下ろす
4、身体を反動をつけて起こし、同じ要領で身体を下げる
5、これを10回×3セット行う

腹筋

続いては下半身のネガティブトレーニングをご紹介します。

 

ネガティブトレーニングの方法:下半身編

下半身のネガティブトレーニングの例は、以下の通りです。

スクワットのネガティブトレーニング

1、脚を肩幅に開き、つま先も軽く開く
2、体重を足裏全体に乗せる
3、4秒間かけてゆっくりしゃがむ
4、足裏で地面を軽く押し返すように立ちあがる
5、これを10回×3セット行う

スクワットのネガティブトレーニング

スプリットスクワットのネガティブトレーニング

1、脚を前後に大きく開く
2、身体を真下にゆっくりしゃがんでいく
3、すっと立ちあがり、同じ要領で真下にしゃがむ
4、これを10回×3セット行う

スプリットスクワットのネガティブトレーニング

グッドモーニングのネガティブトレーニング

1、脚を肩幅に開き、つま先も軽く開く
2、体重を足裏全体に乗せる
3、両手を耳に当て、軽く膝を曲げる
4、股関節を支点に身体をゆっくりお辞儀させる
5、このとき、もも裏の筋肉を伸ばすようにお辞儀する
6、身体を起こし、再度同じ動作を繰り返す
7、これを10回×3セット行う

グッドモーニングのネガティブトレーニング

ヒップリフトのネガティブトレーニング

1、仰向けの状態で、両膝を90度ぐらいに曲げる
2、脚を肩幅に開き、両手は身体の横に置いておく
3、お尻を持ち上げ、ゆっくりお尻を下げていく
4、再度お尻をスッと持ち上げ、同じ要領で繰り返す
5、これを10回×3セット行う

ヒップリフトのネガティブトレーニング

このように、さまざまな方法でネガティブトレーニングを行うことで、筋肉をつけやすくなります。

また、これらとあわせて「セット数」「頻度」などを適切にセットする必要があるんですね。この条件については以下の記事で解説しているので、こちらを参考にご覧ください。

 

ネガティブトレーニングの注意点やデメリット

ここまでネガティブトレーニングの効果や具体的な方法をご紹介しましたが、注意して欲しいこともあるのであわせてご紹介します。

追い込み過ぎには注意

先ほど、ネガティブトレーニングの効果の1つに「筋肉が肥大しやすい」とお伝えしました。

筋肉が肥大しやすい特徴がある一方で、筋肉に対する刺激も大きく非常に強い筋肉痛が出る可能性があるんですね。

高重量で本当に限界まで追い込み過ぎると、オーバーワークになってしまう可能性があるため、

追い込み過ぎには、注意が必要

です。

1セット10回までとして3セット位でも効果があるため、セット数を多く設定し過ぎないように注意しましょう。

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ちなみに、筋肉痛の軽減方法は以下の記事で紹介しているのでよかったら参考にどうぞ。

もしあまりに筋肉痛がきつい方は筋肉痛を軽減する方法もご紹介していますので、こちらも参考にどうぞ。

強度やセット数は徐々に増やす

これも上記でお伝えしたことと似ていますが、ネガティブトレーニングを導入する際は強度やセット数は徐々に上げるようにしましょう。

人間の身体は今までにない刺激が加わると非常に大きなストレスを受けますが、そのストレスに慣れるまでの期間が必要なんですね。

ネガティブトレーニングの場合、筋トレ経験者であればすぐにできます。ただ知らず知らずのうちにすぎると、

・発熱
・強い倦怠感や疲労感
・なかなか治らない筋肉痛
・関節痛
・やる気の低下

などを引き起こす可能性もあります。

ですのでネガティブトレーニングを実践する場合は、徐々に回数などを増やして刺激に慣れさせるようにしましょう。

フォームの習得ができていることが前提

これはすべてのトレーニングに共通することですが、ネガティブトレーニングは筋肉に対する刺激が大きくなるので、適切なフォームが習得できていることを前提に実践するようにしましょう。

高重量も扱いやすくなるネガティブトレーニングですが、もし適当なフォームで行ってしまうと関節にかかる負担がかなり大きくなって痛めてしまいます。

ですので、必ず行う種目は適切なフォームが習得できている方法のみを行うようにしましょう。

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上記で紹介したような内容でトレーニングできれば問題ないですからね。

筋肉痛が起こりやすい

これは「筋トレで筋肉痛にならなくなった3つの理由と対処方法」でも触れていますが、ネガティブトレーニングはかなり筋肉痛が出やすい方法でもあるんですね。

通常の筋トレよりも筋肉痛が出やすいですし、翌日かなりの筋肉痛で動かしづらいこともあるかもしれません。もし大事な仕事や行事などがあれば、そういった前日にはしない方が無難だと思います。

ですので、ネガティブトレーニングの実践後は筋肉痛がひどくなることをおさえておいてほしいですね。

栄養補給を適切に行う

そして最後に、ネガティブトレーニング後は適切に栄養補給するようにしましょう。

他のトレーニングも同様ですが、筋肉を追い込めば体内のエネルギーや栄養が不足しがち。トレーニング後すぐに、

・たんぱく質
・糖質

などを補給することで、より筋肉がつきやすくなって疲労回復を早めることができます。

ですので、ネガティブトレーニング後はすぐにプロテインなどで栄養補給するようにしてくださいね。

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もし筋肉をしっかりつけたい方に関しては、以下の記事で栄養に触れていますのでご覧ください。

 

筋トレで使う「ポジティブ動作」「ネガティブ動作」や効果などのまとめ

今回は、筋トレで使う「ポジティブ動作」「ネガティブ動作」や効果などを解説しました。

・筋トレで使う「ポジティブ」=短縮性筋活動のこと
・「ネガティブ」=伸張性筋活動のこと
・ネガティブトレーニングは、筋肉を肥大させやすい
・基礎代謝を上げやすいトレーニングと言える
・やりすぎには注意が必要

こういった内容をお伝えしました。

今まで筋肉の成長が停滞気味だった方は、今回ご紹介したネガティブトレーニングでまた変わっていけます。1回実践すれば、今までと違う反応がすぐに実感できると思います。

それぐらい効果的ですし、価値の高い方法ですからね。僕も3ヶ月間で10kg増量したときに実践しているので、ぜひ参考にしてみてください。

今回の内容が少しでも参考になれば嬉しく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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