ぽっこり出た胃のあたり(上腹部)が気になり腹筋やダイエットをしてみるけど、全然引っ込まない。そんな経験や悩みってないですか?
実はこの悩み、筋トレやダイエットでは引っ込まない可能性が高いんですね。
原因によって改善方法は変わりますが、まず「乳び槽」と言われるリンパ節で起こる“リンパ液の滞り”を改善すると、短期間でも引っ込められるはずです。
この記事では、
・胃のあたり(上腹部)がぽっこり出る原因
・筋トレ以外でぽっこり出た胃あたりを引っ込める4つの手順
などをパーソナルトレーナー歴11年の伊藤出(@izuru_style)が解説します。
もしすぐに変化を実感したい方は、YouTubeで紹介している方法をよかったら行ってみてください。そうすると、すぐにスッキリ感が実感できると思います。
今回の記事の内容
胃のあたり(上腹部)がぽっこり出る原因
冒頭でもお伝えしましたが、胃のあたり(上腹部)を引っ込めるためには、
みぞおちとへその真中にある「乳び槽」と言われる、リンパ節のつまりを改善すれば引っ込む
はずです。
なぜこういったことで引っ込むのかというと、以下の原因が考えられるからです。
・乳び槽でリンパ液のつまりが発生している
・長時間身体を丸めるような座り方
・腹直筋上部が硬くなってしまう
・腸腰筋が緊張するような立ち方
・内臓脂肪や皮下脂肪が多い
それぞれ解説しますね。

ちなみに、病的な問題で胃のあたりがぽっこり出ることもありますが、今回は病的な原因は除いてお伝えします。
乳び槽でリンパ液のつまりが発生している
胃のあたり(上腹部)がぽっこり出る一番の原因は、以下の箇所にある「乳び層」と言われるリンパ節でリンパ液が詰まっていることです。
人間の身体には、
・血液
・リンパ液
などの体液がたえず循環していますが、このリンパ液はリンパ管という管を通って全身を循環しています。
このリンパ液は基本的に下から上の一方通行で循環しており、関節の節々などで「リンパ節」と言われる豆のような形をしたところを通っているんですね。
イメージとしては、こういった順路を通っています。
下半身から上がってきたリンパ液は、お腹あたりで合流して「乳び槽」に流れていきます。
この乳び槽というのは、
・リンパ液
・老廃物
・脂肪分
などを多く溜めることができ、状況によって大きく膨らむような構造をしています。
※余談
「乳び槽」の名前の由来は、乳び層に溜まるリンパ液は脂肪分と混ざって“乳”発色(白っぽく濁っている)をしており、それが浴“槽”のような溜め込める場所になっていたからこのような名前になったそうです。

さまざまな要因によって、乳び槽でリンパ液が滞ってしまいます。そうすると、胃のあたりがポコッと膨らんだような状態になってしまうんですね。
ではなぜ、この乳び槽でつまりが発生してしまうのでしょうか?
長時間身体を丸めるような座り方
実際に現場で相談された方の原因を探っていくと、以下のように身体を丸めた座り方でデスクワークをされていたんですね。
先ほど乳び槽の位置を見ていただきましたが、こういった丸まった姿勢になると、お腹を圧迫してしまいます。
そうすると、
下から上に循環するべきリンパ液の流れが、乳び槽あたりで悪くなる
ということが考えられます。
そしてさらに知っておいてほしいことは、リンパ液の流れる速度は元々非常に遅いということ。
体内を1周するのにかかる時間を血液と比べると、これだけの差があります。
・血液:約40秒
・リンパ液:約12時間
圧倒的にリンパ液の流れの方が遅いんですね。
そういった特徴がある中で、日頃から身体を丸めた状態で長時間座っているとどんどん乳び槽でもつまりが起こってしまう。その結果、胃のあたりがぽっこり出てくる可能性があります。
腹直筋上部が硬くなってしまう
さらに、上記のような崩れた座り方で長時間座っていると、お腹にある「腹直筋」という筋肉が常に縮まった状態になるんですね。
身体を丸めて座っている場合は、特に一番上側のちょうどみぞおち辺りの部分が非常に硬くなります。
実際に胃の当たりがぽっこり出ているクライアントさんのお腹に触れると、大体この部分は硬い。
これも問題で、
・乳び槽でリンパ液がつまることで胃の当たりがぽっこり出る
・腹直筋が硬くなることで、筋肉が張り出す
・乳び槽周辺でむくみが発生してより胃の当たりが出てくる
という変化が生まれる可能性があるんですね。
実際、胃のあたりがぽっこり出ている方は、ご自身のお腹を触ると硬くないですか?
もしそうであれば、
・乳び槽でのつまり
・筋肉の張り
これらのことが原因で、胃のあたりがぽっこり出ている可能性があります。
日頃腹筋をしたときにお腹が盛り上がる方は、上記と同じ原因が考えられるんですね。
この悩みについては「腹筋をするとお腹が盛り上がる原因と5つの改善方法」でお伝えする内容を実践すると改善できるので、よかったらこちらも参考にしてみてください。
腸腰筋が緊張するような立ち方
また、日頃の立ち方のまずさも胃のあたりがぽっこり出てしまうことにつながっているかもしれません。
例えば、自然な状態で立てると人はこういった立ち方になります。
ただ、へそを前に突き出すようにつま先重心で立ってしまった場合、胃のあたりの膨れ方に変化が出ます。
腕と被って少し見づらいかもですが、お腹がぽっこり出てきてますよね?
これは、胃のあたりがぽっこり出てしまうような立ち方になっているんですね。
また、別の立ち方としては出っ尻で反り腰気味で立ってしまうのも問題です。
こういう立ち方になってもみぞおち辺りが突き出るような状態になるため、胃のあたりがぽっこり出てくるはず。
さらに問題なのが、こういう姿勢で立ってしまうと「腸腰筋」と言われるみぞおち辺りから太ももの付け根につく筋肉が硬くなるということです。
クライアントさんや自分の身体でも感じていますが、この腸腰筋が硬くなることで、
・ガスが溜まりやすい
・便秘になってしまう
などのことも起こります。

腸腰筋の近くには腸があり、腸腰筋が硬くなるとその影響が腸に伝わり、便秘などの悪影響が出ると考えられます。
上記でお伝えしたような「むくみ」や「筋肉の張り」と姿勢の崩れが合わさることで、よりみぞおち辺りがぽっこり出てきている可能性があるんですね。
内臓脂肪や皮下脂肪が多い
あと考えられることは、
・内臓脂肪
・皮下脂肪
などが多くついているということです。
おそらく、シンプルに脂肪量が多いとなればお腹全体がぽっこり出てくると思います。
ただ、姿勢の崩れがあるとよりみぞおち辺りがぽっこり出てくる可能性があるんですね。
このように、
・乳び槽でリンパ液のつまりが発生している
・長時間身体を丸めるような座り方
・腹直筋上部が硬くなってしまう
・腸腰筋が緊張するような立ち方
・内臓脂肪や皮下脂肪が多い
などが原因で胃のあたりがぽっこり出てくる可能性があります。
では、どのようなことをすればぽっこり出た胃のあたりを引っ込めることができるのでしょうか?
ぽっこり出た胃のあたり(上腹部)を筋トレ以外で引っ込める手順①:乳び槽のつまりを改善するマッサージ
イメージとすれば「どんな筋トレをすれば?」と思われるかもしれませんが、実際は筋トレ不要です。
まず行ってほしいことは、以下の5つの方法ですね。
1、みぞおち付近を擦る
2、乳び槽を圧迫する
3、乳び槽にポンプ刺激を加える
4、腸腰筋を緩める
5、お腹周りを緩める
これら5つを行うことで、上記でお伝えした、
・乳び槽でのリンパ液のつまりやむくみ
・腸腰筋などの筋肉の張り
などが改善できます。その結果胃のあたりは引っ込んでくるので、まずはこの5つを解説しますね。
①みぞおち付近を擦る
1、仰向けの状態で、両膝を立てる
2、みぞおち辺りにリラックスさせた手を置く
3、赤ちゃんを優しくなでるイメージでみぞおち辺りを擦る
4、これを1分間行う

擦ることである程度胃のあたりの筋肉が緩み、次の圧迫がしやすくなります。
②乳び槽を圧迫する
1、仰向けの状態で、膝を立てる
2、みぞおちとへその間に片手を置く
3、もう一方の手も重ねる
4、鼻から息を吸って軽くお腹を膨らませる
5、口から息を吐きながら乳び槽を圧迫していく
6、心臓の鼓動が聞こえるまで圧迫し、一気に圧力を抜く
7、これを1分間繰り返す

鼓動を感じれない方は圧迫が弱い可能性があるので、もう少し強くお腹を押し込んでみましょう。少し痛みが出る程度でOKです。
③乳び槽にポンプ刺激を与える
1、仰向けの状態で、膝を立てる
2、みぞおちとへその間に両手を置く
3、お腹を軽く圧迫する
4、その状態でみぞおちに向かってポンプのようにお腹を動かす
5、これを1分間行う

圧迫することでつまりが改善され、このポンプの動きでより循環を促せます。ここに時間をかけるとより胃のあたりは引っ込みます。
④腸腰筋を緩める
1、仰向けの状態で、両膝を90度に立てる
2、へその横に手のひら全体をつけて置く
3、口から息を吐きながら軽く膝を交互に胸に引き寄せる
4、これを1分間行う

日頃反り腰気味の方は、このストレッチでかなり姿勢も良くなりますよ。
⑤お腹全体を緩める
1、仰向けの状態で、両膝を90度に立てる
2、脚を揃え、両手は楽な位置に置く
3、口から息を吐きながら、リラックスして膝を左右に倒す
4、これを1分間行う
本来であればもう少し乳び槽などを刺激することが理想ですが、これはYouTubeで紹介しているのでこちらを参考に実践してみてください。この内容をすべてすれば、1回で引っ込むことがわかると思います。
ここまでの流れをすれば、1日でもある程度引っ込んでくるはずです。

あとはこれを継続的に行ってもらうとOKですね。
そして、これらとあわせてさらに行ってほしいのが以下のことです。
ぽっこり出た胃のあたり(上腹部)を筋トレ以外で引っ込める手順②:お腹をポンプのように動かす
マッサージなどで胃のあたりが引っ込みにくい方は、以下の方法でお腹をポンプのように動かせば、引っ込みを感じれると思います。
①みぞおちを軽く動かす
1、両脚を肩幅に開き、手をみぞおちに沿える
2、鼻から軽く息を吐きながら、みぞおちをポンプのように動かす
3、これを1分間行う
②お腹を軽く動かす
1、両脚を肩幅に開き、手をへそ辺りに沿える
2、鼻から軽く息を吐きながら、お腹全体をポンプのように動かす
3、これを1分間行う
③身体を軽く丸める
1、両脚を肩幅に開き、手をみぞおちに沿える
2、鼻から軽く息を吐きながら、みぞおちをポンプのように動かす
3、同時に、身体を軽く丸める
4、これを1分間行う
④身体を左右に軽く倒す
1、両脚を肩幅に開き、両肘を曲げる
2、鼻から息を吐きながら、横腹をポンプのように動かす
3、これを1分間行う
この4つでお腹周りのむくみが改善し、適切にできるとすぐにお腹がスッキリしているのがわかると思います。

先ほど紹介した5つの方法の後にこの4つを行うと、かなり胃のあたりはスッキリしますよ。
さらにお腹を引っ込めたい方は、この後に「常にお腹をへこます効果|簡単にウエストを細くする方法」などで紹介することをすれば、よりお腹を引き締められます。
これらで紹介している方法をすれば、大きく変化する方は「ウエスト回りが1週間で-2~3cm」する方もいるぐらい効果的な内容ですね。
ぽっこり出た胃のあたり(上腹部)を筋トレ以外で引っ込める手順③:根本的な原因を取り除く
続いて行ってほしいのが、胃のあたりがぽっこり出る根本原因を取り除くということです。

ここからお伝えすることは、日常生活の中で意識的に改善してほしいことですね。
先ほど上記で解説した通り、胃のあたりがぽっこり出るのは、
・座り方
・立ち方
・脂肪が多い
などとお伝えしましたよね。
ここが根本原因になっているので、これらを改善しないままだと再度お腹がぽっこり出てきます。
5つの方法で乳び槽などのつまりを改善すれば、それとあわせて日頃の姿勢などを改善していきましょう。

以下で紹介している記事や動画の中で詳しく解説しているので、よかったらクリックして参考にご覧ください。
自然な座り方を習得する
自然な立ち方を習得する
余分な脂肪分を減らす(ダイエット)
もし上記の流れを行ってもまだ胃のあたりがぽっこり出ている場合、もう1つ行ってほしいのが「ダイエット」です。
胃のあたりがぽっこり出るのは、乳び槽のつまりや姿勢の問題も大きいですが、脂肪が多いことも問題になります。
ですので、皮下脂肪や内臓脂肪を減らすためにダイエットは必須です。やるべきことは、
・食事量を減らす
・運動量を適度に増やす
というシンプルなことで十分ですね。
適切なダイエットができるとよりお腹も引っ込んでいくので、以下の記事を参考にダイエットを行ってみてください。
そうすると、より胃のあたりはスッキリしてスタイルが良くなっていきますよ。
・【簡単】初心者でも“痩せる”ダイエットの始め方12選
・ダイエット成功例:9ヶ月間で-16kgできた食事方法
・半日断食をして2ヶ月間で-8kgのダイエットに成功した記録
・本気で痩せたい方必見!40代女性63kgからのダイエット成功例
ちなみに、僕が2ヶ月間で-8kgした「半日断食」という方法は動画でも紹介しているので、興味ある方はこちらもよかったら参考にご覧ください。
ぽっこり出た胃のあたりを筋トレ以外で引っ込める手順④:日常で行ってほしいこと
基本的には上記の流れができればより胃のあたりはスッキリ引っ込んできますが、本気で引っ込めたい方は、日常の中でお腹周りを動かす習慣をつけましょう。
そうすると、より胃のあたりはより引き締まります。この方法は、以下の動画の内容などを参考に、何か1つでもいいので行ってもらうとOKですね。
また、寝る前などに「むくみがスッキリ!壁に足上げて脚やせする3つの方法」や以下の動画で紹介する方法を行うとより胃の周りはスッキリするので、こちらももしよかったら実践してみてください。
ここまでお伝えした一連の流れができると、胃のあたりはほぼ確実に変わりますからね。

ちなみに、簡単にできるシェイプアップ方法などはTwitterでよく呟いているので、もし役立ちそうであればフォローしてご覧ください。
本気の方は以下4つの筋トレ。下腹部痩せは「腹直筋下部」「腸腰筋」「骨盤底筋群」などを刺激することがポイント。各20回1セット。3セットなら確実変化。4つで「下腹部痩せ」「開いた骨盤が締まる」「尿漏れ改善」「太ももの付け根痩せ」などの効果あり。1回で-3cmする方もいる。一緒に、変わろう。 pic.twitter.com/DrD03AWZ2j
— 伊藤 出@IDEALSTYLE代表 (@izuru_style) November 23, 2021
胃のあたり(上腹部)がぽっこり出る原因と引っ込める方法のまとめ
今回は、胃のあたりがぽっこり出る原因と筋トレ以外で引っ込める3つの手順を解説しました。
・胃のあたりがぽっこり出るのは、主に乳び槽で起こるリンパ液のつまりが原因
・乳び槽がつまるのは、姿勢の問題が大きい
・脂肪がつくことで、より胃のあたりはぽっこり出る
・引っ込めるためには、まず乳び槽のつまりを改善すること
・あわせて姿勢などの改善やダイエットを行う
・日常でお腹周りを動か習慣をつける
・この一連の流れができると、胃のあたりはスッキリ引っ込む
今まで腹筋などの筋トレを頑張ってきた方もいますよね。あれだけしんどい筋トレを頑張られて、すごいことですよ。
今日からは楽なことで十分です。適切なことができると、胃のあたりはどんどん引っ込んでいきますからね。
ぜひ今回の内容を参考に、今まで悩んでいたお腹の悩みをスッキリさせて、もっと理想の身体やご自身に近づいてください!
今回の内容が少しでも参考になれば嬉しく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
コメント