パーソナルトレーニングを受けられる方の中には、ランニングに関する悩みを抱えている方もおり、「フォーム・走り方」「痛み改善」「トレーニング方法」などのご指導も行っています。
特にランニング後の痛みに関する悩み相談を多く受けますが、こういう方の場合は「原因の発見」「身体調整」「走り方の改善」という総合的なアプローチが必要になってくるんですね。
ただストレッチングをするだけでは根本改善につながりづらく、根本原因を取り除くことができると、ランニングの痛みの再発を防ぐことができます。
この記事では、
・パーソナルトレーニングでランニングの悩みを改善する5つの流れ
・ランニングの悩みを改善するために重要なこと
などをパーソナルトレーナー歴12年、パーソナルケアスタジオIDEALSTYLE代表の伊藤出(@izuru_style)が解説します。
無料体験を随時受付中!
|
今回の記事の内容
パーソナルトレーニングでランニングの悩みを改善する流れ①:原因の発見
パーソナルトレーニングを開始する前に、必ず最初に行うことは、
カウンセリングを通して、ランニングの悩みの原因を発見する
ということです。
先ほども少しお伝えしましたが、現場で相談されるランニング関連の悩みは、
・ランニング後に足首や膝が痛む
・ランニングを再開すると腰痛が出る
・着地のときに、足の裏が痛む
・目標のタイムを切れるように速く走りたい
などが特に多いんですね。
こういった悩みを改善するためには、

では、早速悩みを改善するために〇〇をしましょう。
という具合に、すぐにメニューをご提案できるわけではありません。
・なぜ、今の悩みを抱えるようになったのか?
・いつぐらいから悩みを抱えているのか?
・どのようなタイミングで痛みが出るのか?
・今、どのような感覚でランニングをしているのか?
さまざまな質問を通して、現在の悩みの根本原因を探っていきます。
実際にランニング関連の悩みを抱えるクライアントさんは、以下のような原因があって痛みやタイムの悪さにつながっていたことがありました。
原因①:走り方・フォームのまずさ
痛みやパフォーマンス低下の主な原因は、
走り方・ランニングフォームのまずさ
が最も多くみられます。
ランニングフォームでまず重要なことは「リラックスしてスムーズな動作」ができることですが、ほとんどの方は、
・どこかに違和感がある
・脚の回転が一瞬硬くなる箇所がある
・全体の動作が硬く見え、スムーズさを感じない
・一部分の動作が力んで見える
・つま先など、足の部分で着地している
など、どこか不自然さが見られます。
こういった不自然さがみられてしまうと、
・どこか一点に大きなストレスがかかる
・特定の筋肉がストレスを受け、ガチガチに硬くなる
・そのストレスに耐えられなくなると、痛みが発生する
という流れが考えられるんですね。
また、動作の硬さがあれば当然スピードが出なくなるので、その分タイムが遅くなります。
おそらくランニングに関する悩みをお持ちの方は、走り方やランニングフォームそのものを改善することで、より快適にランニングができるようになるはずです。

この辺りについては以下の記事をご覧いただくと、よりイメージがしやすくなると思います。

2022.03.10
ランニングで発生する膝の痛み(内側・外側)の原因と4つの改善手順
ランニング中や後に膝周りが痛み出し、走ることができない。休めば一時的に痛みは引くけど、走り出すとまた痛みが再発してしまう。 こういったランニング障害で悩んでいる方もいると思いますが、もし膝周りの組織(骨や靱帯など)に損傷などがなければ、走り方や着地の改善が一番のポイントになります。 また...
原因②:シューズやインソールの問題
続いて現場でよく見られる原因の1つに、
ランニングシューズやインソールの変形やサイズの問題
があります。
適切なシューズのサイズは、
・縦幅:踵を詰めた状態で、つま先側に1cm空間があく
・横幅:足の横幅に合うサイズ
この2つの条件を満たすシューズです。
この条件であればシューズが問題で痛みなどにはつながりませんが、意外とシューズのサイズがあっていない方が多いんですね。
・シューズのサイズが大きすぎる
・横幅が狭くて、足の指が変形している
・縦幅が小さくて、ハンマー足趾(足の指が曲がる)になっている
・つま先あたりの横幅が合っておらず、外反母趾になっている
など、現場ではこういったことが確認できています。
さらにインソールを敷いている方の場合、着地や走り方の癖によって、
・インソールが変形している
・特定の部分が凹んでいる
・一点が薄くなったり、穴が開いている
といったこともよく確認しています。
そうすると、自然な着地ができたとしてもインソールの変形によって、特定の部分で着地を繰り返す可能性があるんですね。
この状態になってしまうと、部分の筋肉にかかるストレスが大きくなってしまい、
・お尻の外側
・太ももの外側
・膝の内側や前側
・ふくらはぎ
・アキレス腱
・足の裏
このような箇所に痛みが発生しやすくなります。

特に痛みに悩まれている方は、こういったシューズやインソール変形は必ず取り除く必要があるんですね。
原因③:練習やトレーニング内容
もう1つ痛みやパフォーマンスが上がらない原因としてよくあるのが、
練習やトレーニング内容が適切ではない
ということがあります。
例えばランニングスピードを高めるためには、普段通りのスピードでランニングを繰り返しても、思ったようにスピードは上がりません。
ランニングスピードを高めるためには、
・ピッチ:脚の回転
・ストライド:1歩の歩幅
このどちらか、もしくは両方を向上させることが必要になります。
そのために必要になるのは、
・ピッチの向上:走り方、動作改善
・ストライド:上方、前方への筋力・スピードの向上
などであり、これらのトレーニングを行うことでランニングスピードを上げることができるんですね。
この辺りのことが理解できておらず、ただやみくもにトレーニングなどを繰り返してしまうと、痛みやパフォーマンス向上につながらない可能性が高くなります。
こういったトレーニングや練習内容のまずさも、ランニングの悩みに直結する要因になっている可能性があります。

では、こういった原因でランニングの悩みにつながっている場合、どのようなことをすれば悩み改善ができるのでしょうか?
パーソナルトレーニングでランニングの悩みを改善する流れ②:身体調整などで自然体に直す
上記でお伝えしたような原因は個人によって変わるため、パーソナルトレーニングの内容も個人によって大きく変わってきます。
ただ参考例をあげるとすれば、パーソナルトレーニングでまず最初に行うことは、
身体調整などによって、歪みや捻じれた身体を自然体に直す
ということです。
全身の筋肉を緩めて自然体に直すことで、
・ランニングで発生する痛みが改善する
・スムーズな動作がしやすくなる
・ランニングスピードが向上する
など、非常に多くの変化を実感できるんですね。
ですので、ランニングに関する悩みをお持ちの方は、まず最初に身体調整などで筋肉を緩めていきます。
全身の筋肉を体操で緩める
体操などで全身の筋肉を緩めてからランニングを行うと、かなり走りやすいことが実感できると思います。
以下の動画は少しタイトルが違いますが、この体操を行うことで全身の筋肉を緩めることができるんですね。
これをしてから一度ランニングをしてみてください。
そうすると、身体もスムーズに動きますし、いつもよりもスピードが出やすくなることも実感できると思います。
ストレッチングで全身の筋肉を緩める
また、ランニング後にはストレッチングなどで全身の筋肉を緩めるようにしましょう。そうすると、より身体が軽くなって「痛み改善」「張りの改善」などにつながります。

これもタイトルは少し違いますが、以下の動画が参考になると思うので、よかったら実践してみてください。
このように、ご自身で筋肉を緩めることを実践しても今までとは感覚が変わりますが、これ以上の効果が期待できるのがパーソナルトレーニングで行う身体調整です。
もしランニング後の痛みで悩む方は、筋肉を徹底的に緩めることが重要になるため、現状によっては1時間ずっと筋肉を緩めることが必要になるかもしれません。
パーソナルトレーニングでランニングの悩みを改善する流れ③:着地の仕方を改善する
ランニング後の痛み改善やパフォーマンスアップのどちらの目的の場合も、フォーム改善に移る前に「着地の仕方」を改善していきます。
さまざまな方法で改善を行っていきますが、参考になるように具体的な方法をいくつかご紹介しますね。
①体重支持ポイントを確認する
まず着地の改善をする前に、どこに体重を乗せるのかということを確認していきます。
人間が自然な状態で立てると、大体「踝の真下」に体重が乗るという考え方があり、以下の位置を“感覚的に”インプットしていきます。
この位置は、
・脚を肩幅に開く
・つま先を違和感ない程度に開く
・少し出っ尻にする
この手順で立つことで、理解しやすくなるんですね。
もしこの位置を体感したい方は、以下の記事でお伝えしている立ち方の改善を行ってみましょう。そうすると、感覚的に理解しやすくなると思います。
椅子に座った状態から立ち上がることで「踝の真下」に体重が自然に乗るため、まずはこういった体重支持ポイントを感覚的に改善していきます。
②その場で軽くスクワットを行う
続いて行っていくのは、スクワット動作です。
1、脚を肩幅に開き、つま先も軽く開く
2、体重を踝の真下に乗せる
3、真下にへしゃげるようにしゃがむ
4、このとき、つま先と膝を同じ方向に向ける
5、立ち上がって、再度この動きを繰り返す
6、これを30回程度行う
このスクワットで重要なことは、
踝の真下に体重を乗せて立つ-しゃがむ動作を繰り返す
ということです。
そうすると、さらに感覚的に「踝の真下」に体重を乗せられるようになります。
③その場で小さく弾む
スクワット動作で踝の真下の感覚が掴めると、次はその場で弾むような動作で踝の真下をさらにインプットしていきます。
1、脚を肩幅に開き、つま先も軽く開く
2、体重を踝の真下に乗せる
3、その場で小さく弾む
(このとき、常に踝の真下に体重を乗せておく)
4、これを1分間程度行う
なぜこの「踝の真下」に体重を乗せるのかというと、ここに体重がかかると衝撃が分散されるようになり、ランニングをしても痛みにつながりづらいからなんですね。

手で表現するとわかりやすく、踝の真下に体重を乗せると足にある4つのアーチが全体にへしゃげて、衝撃を吸収してくれるようになります。
この作用によって脚にかかるストレスが軽減されて痛み改善につながり、さらに着地時の摩擦が軽減され、スピードアップにも役立ちます。
ですので、着地の仕方を改善するステップでは、このような「フラット着地」をインプットできるようにご指導していきます。
パーソナルトレーニングでランニングの悩みを改善する流れ④:走り方・フォームを改善する
そして着地の改善ができると、続いては「ランニングフォーム」「走り方」などを改善していきましょう。
ここは個人のフォームによってご指導する内容は変わりますが、具体的には以下のようなことをご指導していきます。
①重心を設定する位置
走るということは重心移動になるため、まずは重心をどのような位置に設定するのかをお伝えします。
身体の重心は「丹田」と言われるへそあたりに設定されることが多いですが、ランニングをする際は、
・胸
・鼻
・頭
など高い位置に設定をするんですね。
重心位置が高くなれば、その分運動エネルギーが小さくなって疲れづらくなります。さらに、前方へスムーズに進みやすくなります。
ですので、走り方を改善する最初のステップでは、
重心位置をどこに設定すればいいのか?
ということを感覚的に掴んでいただきます。
②脚の使い方を改善する
重心移動がスムーズにできるようになれば、次は脚の使い方をご指導していきます。
ランニング時の脚の使い方は、
リラックスしておけば自然に動く
ので、特にあれこれ調整する必要はありません。
ただ、
・脚の動きが硬い
・脚が左右にズレて跳ね上がる
・脚の動きに癖がある
などが見られた場合は、自然な脚の動きをインプットする必要が出てきます。
簡潔に解説すると、
踵でお尻の真ん中を叩く
イメージで走っていきます。
そうすればスムーズな脚の動きとなり、ストライドも大きくなって、結果的にスピードアップにつながります。
・その場で踵を叩くように弾む
・前に進みながら踵でお尻を叩く
さまざまなパターンで脚の動きを修正していきます。
③腕の動きを改善する
脚の動きがスムーズになってくると、次は腕の使い方を自然な動きに改善していきます。
特に腕の使い方で問題になってくるのが、
・肘を引くように意識している
・腕がまっすぐスイングされている
・肘が中途半端に曲がっている
などのことです。
こういった腕の使い方が見られると、前方へ進みづらくなったり、肩周りが緊張して疲労しやすくなるんですね。
ですので、不自然な腕の使い方がみられる場合は、腕の使い方も自然なスイングになるように修正していきます。
④全体の動きをスムーズにする
ここまでお伝えしたように、
①重心の位置を高く設定する
②脚の使い方を改善する
③腕の使い方を改善する
この流れができると、最後はまとめとして一連のランニング動作をまとめて走っていきます。
ランニングフォームや走り方に限らず、何かの動作を改善するためには、
・分習法:部分的な動作を改善する
・全習法:全体の動作を改善する
と分けて自然な動きを獲得する必要があるんですね。
ですので、部分的な動作改善を行った後に、最後のまとめとしてランニング動作をつなげて走っていきます。
そうすると、1つ1つの動作で改善したことが最後にまとまって、スムーズな走り方が身体にインプットできます。

ここまでお伝えした一連の流れを、ほとんどのクライアントさんにはご指導することになると思います。
パーソナルトレーニングでランニングの悩みを改善する流れ⑤:シューズやインソールを変更する
もし上記のこととあわせて、
・シューズ
・インソール
などに問題があれば、それらをチェックした上で改善していきます。
ランニング後の痛みで悩まれている方の場合は、シューズなどの他にも、
・姿勢(アライメント)
・走っている環境
・走っている距離や頻度
・コンディショニング
・コンディション
などをチェックし、痛みの原因になっている要素があればそれを取り除いていきます。
こういったことをまとめてご指導しているのが、僕のところで行っているパーソナルトレーニングになります。
パーソナルトレーニングでランニングの悩みを改善する5つの流れのまとめ
今回は、パーソナルトレーニングでランニングの悩みを改善する5つの流れについて解説しました。
①原因の発見(カウンセリング)
②身体調整で全身の筋肉を緩める
③着地の仕方を改善する
④走り方・フォームを改善する
⑤シューズ・インソールなどを変更する
こういった一連の流れをパーソナルトレーニングで行っていきます。
もちろん練習メニューのご提案や必要に応じてトレーニングのご指導も行っていくんですね。大切なことは、いかにみなさんが持っている悩みを改善できるのかということです。
そのために必要なことをお伝えしていくため、上記とは全く違う内容になることもあります。ただ、単純な内容では改善が難しいケースが多いので、さまざまなご指導をしていきます。
そうすると、1ヶ月以内でもランニングフォームの違いや走りやすさを実感していただけると思うので、興味がある方はぜひ無料体験にお越しくださいね。
今回は以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

無料体験はこちらからお申込みください。一緒にランニングに関する悩みを改善していきましょう。

2021.11.25
無料体験の内容やお申込みの流れ
この記事では、パーソナルトレーニングの無料体験の内容などをご紹介しています。...
コメント