マッサージや整体に通っても、なかなか腰痛が改善しなくて悩んでいる。または、病院で「トレーニングした方が良い」と言われ、パーソナルジムを探している方もいると思います。
まず腰痛やヘルニアを改善するためには、トレーニングで鍛えるよりも先にやるべきことがあるんですね。それができた中でトレーニングを行うと、より痛みの改善が可能です。
僕自身も高校生のときにヘルニアになっていますが、十数年経った今でも腰痛を再発することなく過ごすことができています。
この記事では、
・パーソナルトレーニングで腰痛やヘルニアを改善する5つの流れ
・根本的に腰痛を改善するために必要なこと
などをパーソナルトレーナー歴11年の伊藤出(@izuru_style)が解説します。
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今回の記事の内容
パーソナルトレーニングで腰痛・ヘルニアを改善する方法①:原因をみつける
パーソナルトレーニングを通じて腰痛やヘルニアを改善するためには、
根本的な“原因”をみつける
ということを最初に行っていきます。

みなさんに質問です。腰痛やヘルニアになった原因をしっかりと理解されていますか?
多くの方は「筋力が弱くて…」「体が硬くて…」などと言われるかもしれませんが、根本原因はもっと深く細かい部分に潜んでいるはずです。
現場では実際1人1人に1時間以上かけてカウンセリングを行っていきますが、クライアントさんのお身体を見ていると、以下のような原因で腰痛が発生しています。
クライアントさんの主な腰痛やヘルニアの主な原因
腰痛で悩むクライアントさんのカウンセリングを行ってよくある原因は、
全体の姿勢が崩れて腰痛が発生している
ということです。
例えば人間の自然な状態というのは、以下の画像のように左右対称で歪みや捻れがない状態だと考えているんですね。

服のラインを見てもらうと、左右・上下でほぼ対象になっているのがわかると思います。
この状態であれば、基本的に「骨で立つような状態」になるため、筋肉に過度なストレスはかからず腰痛は発生しません。
ですがここから、頭が左側に倒れて重心が偏るとします。
頭の重さはボーリングの球ぐらい重いので、頭部が左側に傾くことで左半身にストレスがかかり、腰へのストレスも増してきます。
もしこの歪んだ状態で立ったり歩いたりすると、
・さらに上半身の重さが左腰にかかる
・着地の際に地面から受ける衝撃が左腰にかかる
という感じで、上下から受ける腰へのストレスがかなり増してしまうんですね。
そうすると、
・左腰の筋肉にストレスがかかる
・過度にストレスがかかると筋肉が硬くなる
・このストレスに耐えられなくなると、腰痛が発生する
という流れが考えられます。

現場でクライアントさんを見ていても、“全体の姿勢の崩れ”が影響して腰痛が発生していることがほとんどです。
ここまではイメージしやすかったと思いますが、腰痛の原因は先ほどもお伝えした通り、もっと深く細かい部分に潜んでいます。
日常で無意識に起こる姿勢や動作の崩れ
例えば、
・信号待ちをしているとき
・電車を待っているとき
・台所で家事をしているとき など
みなさんは、どのように立っているでしょうか?
よく見られる癖の1つに、以下のような片脚に体重をかける立ち方があります。
自分では「片脚に体重を乗せている感覚はない。」と思っている方でも、意外と後方から画像を撮ってみると、片側に体重が偏ってしまっていることもあるんですね。
上記の画像のような立ち方になっていると、体重は左側に偏るため、当然左腰へのストレスが増します。
また、台所で何気なく立っているときなど、へそ辺りを前の台に当てて無意識に立っていませんか?
へそを前に突き出すような立ち方をすると、丁度身体の折れ目が腰辺りにできてしまい、腰へのストレスが増します。
・片側に体重を乗せて立つ
・へそを前に突き出すように立つ
これらがセットになる立ち方が癖づいている場合、より片側の腰へのストレスが増し、腰の筋肉がカチカチに硬くなって腰痛につながってしまいます。
姿勢が崩れたまま動作をすると腰痛が出やすい
さらに問題なのが、
腰の筋肉がカチカチになった状態で、腰にストレスがかかる動作を行ってしまうこと
です。
例えば、地面に置いてある荷物をこういった姿勢で持ち上げようとしたことはありませんか?
身体と荷物の距離が離れた状態で持ち上げようとすると、非常に大きなストレスが腰にかかるんですね。
このタイミングでグギッ!っと腰に痛みが走り、腰痛が発生する可能性も高くなります。お子さんがいる場合、地面から抱っこしようとするときも、同じですよね。
子供と自分との距離があればあるほど、腰へのストレスは増えてしまいます。
こういった丸まった姿勢や動作を頻繁に行っている方は、ヘルニアを発症しやすくなります。
このように、
・姿勢などが自然な状態から崩れている
・腰の筋肉が非常に硬い
・腰にストレスがかかるような動作を行ってしまう
・腰痛が表面化し、痛みを抱えながらの生活がスタートする
こういった流れで腰痛が発生する可能性があるというわけです。
そしてもう1つ知っておいていただきたいことは、TMSといった精神的な部分の関与によって腰痛が発生するケースです。
精神的なストレスによって出る腰痛もある
専門的な症状名で言うと、「TMS(緊張性筋炎症候群)」という症状があるんですね。
簡潔に解説すると、
思い込みによって発生する痛み
のことです。
あまりに精神的なストレスが多い方の場合、そのストレスから逃れようとして、身体に痛みが出ることがあります。

痛みを出すことで一時的にそのストレスから解放され、逃避反応として痛みが出ているのではないかと考えられます。
これは1つの原因として知っていただけるとOKで、今回は深堀せずに話を進めていきますね。
ここまでお伝えしたように、腰痛やヘルニアの原因を深く探っていくと、
・頭が左側に傾いている
・自然な状態よりも、骨盤の位置が後傾状態にある
・日頃何気なく行う動作がまずい
・精神的なストレスがかなり多い
こういったことが見えてきます。
もしこのような原因が確認できたら、パーソナルトレーニングで行うべきことは、
①全身の筋肉を緩めて自然体に直す
②自然な立ち方や歩き方を習得する
③精神的なストレスを取り除く(習慣・考え方の改善)
などがやるべきことになってくると思います。
このように、個人によって全く違う原因をみつけることで、その後に行うメニューが決まってくるんですね。
ですので、パーソナルトレーニングの最初に行うことは、
個人によって違う原因をみつけるために、カウンセリングを行うこと
です。
これができないと、腰痛やヘルニアを改善するために何をやればいいのかがわかりません。どのような身体の悩みであっても、原因の発見は必ず最初に行っていきます。
では腰痛の原因が発見できると、具体的にどのようなことをして自然体に直していけばいいのでしょうか?
パーソナルトレーニングで腰痛・ヘルニアを改善する方法②:筋肉を緩めて自然体に直す
腰痛の原因が明確になると、次に行っていくことは、
全身の筋肉を緩めて、自然体に直す
ということです。
ここでいう“自然体”というのは、
・全身の筋肉が柔らかい
・歪みや捻じれのない
・自律神経が整っている
これらを総称した状態をイメージしています。
姿勢だけど見ると、こんな状態ですね。
こういった全身の筋肉が柔らかく、自然な状態に直すことで腰痛を改善することができます。

いきなり筋トレなどで鍛えるのではなく、先に整えることが腰痛改善には重要です。
全身の筋肉を緩める方法
実際にパーソナルトレーニングでは、僕自身がクライアントさんの筋肉を緩める「身体調整」「リンパケア」「ストレッチング」などをお行っていきます。
ただ、まずは筋肉を緩めるだけでも腰痛が改善できることを実感していただきたいんですね。これはYouTubeの中で改善方法をご紹介しているので、こちらを参考に実践してみてください。
パーソナルトレーニングではこれよりも数倍筋肉が緩みます。。そうすると、より自然体に直すことができ、腰痛を改善することができるというわけです。
ここがパーソナルトレーニングの醍醐味であり、IDEALSTYLEの大きな特徴でもあるんですね。
自律神経を整える
そして、筋肉を緩めることと同時に行っていくのが、自律神経を整えることです。
自律神経を整えるためには、脳に一定のリズムを感じるさせることがポイントなんですね。そうすると、
・脳内のセロトニンの分泌量が増える
・副交感神経が刺激される
・身心共にリラックスし、自律神経が整う
こういった反応が出てきます。
これもパーソナルトレーニングでは僕が刺激していきますが、ご自身でも自律神経を整えられる方法があります。
以下の記事で詳しく解説しているので、よかったらこちらも参考に実践してみてください。
このような方法で自然体に直すことで腰痛やヘルニアは改善できますが、根本的な痛みの改善を行うためには、あわせて姿勢や動作の改善することが必要なんですね。
パーソナルトレーニングで腰痛・ヘルニアを改善する方法③:姿勢や動作を改善して自然体を維持する
全身の筋肉を緩めて自然体に直すことができると、次はその自然体を維持するために、
・座り方
・立ち方
・歩き方
・椅子からの立ちあがり
・階段の上り下り など
日常で行う姿勢や動作を自然な状態に改善していくんですね。
ここが根本的に腰痛を改善するためには重要で、
腰痛の根本原因を取り除く
ことになります。
個人によってやるべき内容は細かく変わりますが、姿勢や動作改善の考え方は以下の記事でお伝えしているので、こちらも参考にしてみてください。

パーソナルトレーニングでは、セッションの中でこういった姿勢や動作の改善方法もご指導していきます。
座り方の改善方法
立ち方の改善方法
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このように、自然体に直す+自然体を維持する(原因を取り除く)ということがセットでできると、腰痛を根本的に改善することができます。
パーソナルトレーニングで腰痛・ヘルニアを改善する方法④:痛みが出ないことを脳にインプットする
本来であればここまでの3つの流れで腰痛改善は可能ですが、
痛みが出ないことを脳にインプットする
ということも重要です。おそらく腰痛の方が自然体に直しても、「また腰痛になるんじゃ…」という不安が残っていると思います。
痛みは脳が感じているため、この不安感が残っていれば痛みの再発の確率も高くなる可能性があるんですね。
現場で大事にしていることは、姿勢や動作を改善している時に、

こうやったら腰に痛みが出ず、問題なく立ったり歩いたりできますよね?
と言葉がけをして痛みがないことを認識してもらうことです。どういうことをすれば痛みが出ないのかを、クライアントさんの脳にインプットする。
痛みが出ない、直るという安心感が痛みの改善に重要になる
ので、言葉がけをしつつクライアントさんの脳の中の情報を書き換えていきます。
こういう安心感が出ると脳が痛みを忘れ、本当にいい方向に改善していくので、ここまでしてはじめて腰痛の改善がうまくいくことがほとんどです。
パーソナルトレーニングで腰痛・ヘルニアを改善する方法⑤:トレーニングで自然体をより維持させる
そして、もしトレーニングをされたい方の場合は、自然体をより維持させるようなトレーニングを行っていきます。
具体例をいくつかご紹介しておきますね。
1、椅子から立ち上がる
1、骨盤を軽く前傾させ、脚を肩幅に開いて椅子に座る
2、顔を前に送るように、身体をお辞儀させていく
3、椅子からお尻を浮かせ、踝真下に体重を乗せる
4、踝真下に意識を向けたまま、まっすぐ立ち上がる
5、これを10回3セット行う
2、椅子に座るようなスクワット
1、脚を肩幅に開き、つま先も違和感ない程度に開いて立つ
2、足裏全体に体重を乗せる
3、身体の後方に椅子を置き、座りに行くようにしゃがむ
4、しゃがんだ状態から立ち上がる
5、これを10回3セット行う
3、腕を伸ばしながらスクワット
1、脚を肩幅に開き、つま先も違和感ない程度に開いて立つ
2、足裏全体に体重を乗せる
3、両腕を前に伸ばしながら軽くしゃがむ
4、しゃがんだ状態から立ち上がる
5、これを10回3セット行う
このようなスクワットを行うことで、より自然体を維持する筋力が高まり、姿勢が歪んだり捻じれたりしづらくなります。
もしトレーニングをする場合はこういったトレーニングを行い、必要な筋力を高めていくんですね。何もすべてハードな筋トレが必要なわけではありません。
僕自身が現場での経験を通して腰痛の改善に必要なことと考えているのは、ここまでお伝えした①~⑤の流れです。

個人によってやるべきことは変わりますが、こういった5つの流れはパーソナルトレーニングの中ですべてご指導していきます。
パーソナルトレーニングで腰痛やヘルニアを改善する5つの流れのまとめ
今回は、パーソナルトレーニングで腰痛やヘルニアを改善する5つの流れを解説しました。
・日頃の姿勢が崩れると、腰の筋肉が緊張する
・筋肉が硬くなり、ストレスに耐えられなくなると痛みが出る
・また、ストレスが溜まりすぎると痛みが出ることもある
・改善のためには、まず筋肉を緩めること
・そして姿勢や動作も一緒に改善すること
・脳に快の刺激を与えると、根本的に腰痛が改善する
・トレーニングを行う場合、自然体を維持する目的で行う
こういった内容をお伝えしていきました。
腰痛やヘルニアは日常生活の自由を奪ってしまい、かなり精神的にもきつくなってしまいますよね。
実際に腰痛改善を目的で通われている方の場合、何よりもうれしいのは日常生活が痛みなく過ごせることだと言われていました。
それぐらい痛みは日常生活の見え方を変えてしまうので、今腰痛で悩まれている方は、少しでも早く腰痛が改善できることを実感していただければと思います。
今回の内容が、少しでも腰痛改善のきっかけになれば嬉しく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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