先日ホットヨガに通われている方から「レッスン後に頭痛とか吐き気が出るんだけど、続けていて大丈夫なのかな?」というご相談を受けました。
僕自身も以前ホットヨガに通ったことがありますが、さまざまな原因で頭痛や吐き気が出る可能性があります。クライアントさんの場合は、主に身体の硬さが問題だったんですね。
個人的に運動不足の方にはおすすめなホットヨガですが、ちょっとしたポージングのとり方や水分補給には注意が必要です。
この記事では、
・ホットヨガで頭痛・吐き気が起こる原因
・ホットヨガで起こる頭痛・吐き気を改善する4つの方法
などをパーソナルトレーナー歴11年の伊藤出(@izuru_style)が解説します。
今回の記事の内容
ホットヨガで頭痛・吐き気が起こる原因
クライアントさんからいろんなお話を伺う中で、以下のような原因でホットヨガ後に頭痛や吐き気が起こっている可能性がありました。
脳内が酸素不足になっていた可能性
まず問題になっていたのは、
さまざまな原因で、脳内が酸素不足になっていた可能性がある
ということです。
頭痛や吐き気が起こる原因の1つに「酸欠」がありますが、ホットヨガをするといろんな要因で酸欠になりやすいんですね。
これは僕も実際に経験しましたが、特に身体の硬い方は酸欠に陥りやすい可能性があります。では具体的に、どのようなことで脳内が酸欠になってしまうのでしょうか?
無理してポージングをとる
僕も肩周りが少し硬めですが、ホットヨガのポージングで、
・船のポーズ
・英雄のポーズ
・木のポーズ
などを実践するとします。
体が柔らかい方であれば特に問題ないかもしれませんが、身体が硬い方の場合はこれらのポージングをとろうとすると肩周りが緊張状態になるんですね。
ホットヨガは主にグループレッスンですが、グループでしていると周りの目を気にして無理にポージングをとった経験ってありませんか?
クライアントさんに聞いてみると、

確かに無理したかも。硬いのに頑張ってしまったような気がする…
と言われていました。
このように、肩周りを緊張させるようにポージングをとってしまうと首周りの筋肉が硬くなり、脳への血流量が低下します。
血液の中に酸素が含まれていますが、
・首の筋肉が硬くなる
・血流量が低下する
・脳内が酸欠状態になる
・その結果、頭痛や吐き気が発生する
ということが起こる可能性があるんですね。
おそらく身体が硬い方の場合、ホットヨガで行っているポージングのまずさや無理をしたことによって頭痛や吐き気が発生することがあります。
自律神経が乱れている
さらに問題になってくるのが、
元々自律神経が乱れている
ということです。
クライアントさんの場合も、最近は少しイライラしたり精神的な不安定さを感じていたりと、自律神経が乱れ気味だったそうです。
こういった状況で少し強度の高いホットヨガを受けてしまうと、
・ポーズをとったときに力みやすい
・無駄な力が入ってリラックスできない
・血管が収縮して血流がさらに悪くなる
などが関連し、上記のポージングの問題とあわせてより脳内が酸欠になって頭痛などが出る可能性があります。

初級クラスのようなリラックスコースであれば自律神経は整えられますが、強度が高いクラスであれば自律神経のバランスを崩すかもしれません。
水分量が少なかった
こういった状況に拍車をかけてしまったのが、
レッスン前や中に摂取した水分量が少なかった
ということです。
ホットヨガでは室温も高いので大量の汗をかきますが、この状況下で適切な量の水分を補給しないと、血液の濃度が高まります。
そうすると血液の流れが遅くなり、
・脳への血流量が低下する
・脳内が酸欠になる
・頭痛や吐き気が発生する
という流れが起こる可能性があるんですね。
実際にクライアントさんも大量の汗をかいたにも関わらず、レッスン中は250ml以下しか水分をとっておらず、レッスン後もあまり飲まなかったそうです。
こういった水分量が少なすぎると、いわゆる脱水症状に近い状態になって頭痛や吐き気が発生してしまいます。
レッスン前の食事量が少なかった
そしてもう1つ考えられたことは、
レッスン前の食事量が少なかった
ということです。いわゆるエネルギー不足ですね。
これはホットヨガに限らず、さまざまな運動をしたときでも同じことが起こりますが、
・運動前の食事量が少ない
・運動で糖質などを消費する
・脳内の糖質が不足する
・その結果、頭痛や吐き気が発生する
ということが起こると考えられます。
このように、ホットヨガをしたときに頭痛や吐き気が出る原因としては、
・脳が酸欠状態
・無理にポージングをとる
・自律神経が乱れている
・水分が足りていない
・食事量が少ない
ということが考えられ、これらのことに対処すれば頭痛や吐き気を改善できるということが見えてきました。
では具体的に、ホットヨガで出る頭痛や吐き気を改善するためにはどのようなことをすればいいのでしょうか?
ホットヨガで発生する頭痛や吐き気の改善方法①:ポージングを変える
まず最初に行ってほしいことは、
ホットヨガの中でとるポージングを無理のない範囲で行う
ということです。
グループレッスンでホットヨガを行っているとつい無理をしがちですが、以下のようなポージングをとるとき、肩周りにストレスがかからないようにポージングを少し変えていきましょう。

一例をご紹介するので、肩周りに過度なストレスがかからないようにポイントをおさえてもらえればと思います。
1、船のポーズ
1、骨盤を軽く前傾させ、身体を少し後方に倒す
2、脚を伸ばし、地面から浮かせて上げる
3、両手を前に伸ばす
4、顎を引きすぎず、正面を向く

顎を引きすぎたり身体を後方に倒しすぎると首にストレスがかかるので、浅く身体を倒し、気持ち顎を上げるような感覚で行うことがポイントです。
2、英雄のポーズ
1、脚を前後に大きく
2、両腕を頭上に持ち上げ、身体の少し前側で維持する
(真上に上げることで肩にストレスがかかるため、少し前側でOK)

肩が硬い方は腕を真上に上げるポージングをとると、肩にストレスをかけるんですね。ですので、腕を上げるポーズでは少し前側に腕を持ち上げるようにしましょう。
3、木のポーズ
1、片脚でバランスをとって立つ
2、腕を頭上に持ち上げ、身体の少し前側に上げる

これも英雄のポーズと同じで、腕を身体の少し前側に上げることがポイントです。
4、下向きの犬ポーズ
1、うつ伏せになり、手を肩幅に開いて地面につける
2、脚を肩幅に開き、お尻を天井に持ち上げる
3、腕の間に頭を入れ過ぎないようにする

このポージングでは、腕の間に頭を入れ過ぎないことです。頭を入れ過ぎると首にストレスがかなりかかるので、そこを注意してほしいですね。
このようにポージングの一例をご紹介しましたが、すべてのポージングを行うときに、首にストレスがかからないように工夫していくことがポイントです。
そうすると、もし今ポージングのまずさで頭痛や吐き気が出ている方は、これで改善が可能です。
意識的に深呼吸を行う
ポージングを改善すると同時に行ってほしいのが、「意識的に呼吸を行う」ということなんですね。
頭痛の原因は「酸欠」とお伝えしましたが、意識的に深呼吸を行うと体内の酸素量が増えます。そうすると、脳に運ばれる酸素量も同様に増える。
その結果頭痛の改善につながるので、ポージングの改善とともに意識して深呼吸を行うようにしましょう。
ホットヨガで発生する頭痛や吐き気の改善方法②:肩周りの柔軟性を高める
上記でお伝えした方法は直近での対応策ですが、こういったポージングを変えることと合わせて、肩周りの柔軟性を高めることも行っていきましょう。
そうするとホットヨガでとるポージングも無理なくでき、根本的に頭痛や吐き気を改善することができますよ。
ちなみに、身体を根本的に柔かくするためのポイントは、
約2分間ストレッチングを行う
です。
長めの時間ストレッチングを行うと「筋膜」が緩み、筋膜が緩むことで身体は根本的に柔かくすることができます。
以下の方法は、お風呂上りのタイミングで行っていただくとより効果的ですよ。
1、腕を斜め45度方向に伸ばす
1、地面に正座し、身体をお辞儀させる
2、腕をVの字に開いて地面におく
3、肩や胸を軽く伸ばし、その状態で2分間キープする
2、腕を真横に伸ばす
1、地面に四つ這いになり、腕を真横に伸ばす
2、肩を真下に下げるように胸を伸ばす
3、この状態で、左右各2分間キープする
3、体側を伸ばすように腕を上げる
1、地面にあぐらをかき、片手を地面に置く
2、体側を伸ばすように身体を真横に倒し、腕も上げる
3、この状態で左右各2分間キープする
4、仰向けでバンザイをする
1、仰向けになり、脚を肩幅に開く
2、両手を腰幅に開き、頭上に上げてバンザイする
3、この状態で2分間キープする
こういったストレッチングを毎日行っていると、肩周辺の柔軟性が改善してホットヨガでとるポージングが無理なくできるようになります。
もし①・②でお伝えした方法でも頭痛や吐き気が改善しない場合は、以下の方法も合わせて行っていきましょう。
ホットヨガで発生する頭痛や吐き気の改善方法③:栄養・水分補給を適切に行う
続いて行ってほしいことは、
レッスン前後や中に適切な栄養、水分補給をする
ということです。
レッスン前からの流れをイメージすると、以下のような感じで食事や水分補給をするのがおすすめですね。
レッスン1時間前までに軽食を摂る
レッスン開始前までに、できれば消化の良いものを食べてある程度エネルギーを確保しておきましょう。
具体的には、
・スポーツゼリー
・おにぎり
・うどん
など、消化しやすいものを食べるようにします。
意識的にスポーツドリンクなどを摂るのもありです。このように、レッスン前に炭水化物などを摂って体内のエネルギーを蓄えておくんですね。
レッスン中は500~1000mlの水分をとる
ホットヨガを受けるとわかりますが、本当に大量の汗をかきます。
汗として水分がどれだけ出たかは、レッスン前後の体重を計測すればわかります。実際に僕自身が測ってみると、
・レッスン前 → 64.6kg
・レッスン後 → 63.8kg
となり、約800mlも水分として出ていました。
個人によっては変わりますが、こういった経験からレッスン中の水分は500~1000mlは摂っておいた方がいいかもしれません。

もっと汗をかく方の場合は、1000mlを超えても問題ありません。汗が出た分だけ、適切に水分を補給するようにしましょう。
おそらくほとんどの方は、ここまでお伝えした流れで頭痛や吐き気を改善することができると思うので、ぜひ参考に実践してみてほしいですね。
ホットヨガで発生する頭痛や吐き気の改善方法④:その他の方法
この他にも、頭痛対策として効果的な方法をご紹介しますね。
強度の低いクラスに入る
もし今入っているホットヨガのクラスの強度が高すぎる場合は、少し強度を下げたクラスに入るのも1つの方法です。
以前「LAVA」に行った時にリラックスクラスに入りましたが、肩周りが硬かった僕でも全身の筋肉が緩み、非常に気持ちよかったです。
パワーヨガなどを行っている場合は、肩周りへのストレスが増す可能性があるので、強度の低いクラスに入るのもおすすめですね。
講師のサポートがあるところに変える
これまで「LAVA」だけでなく「カルド
」にも通ったことがありますが、
・カルド=講師のサポートがない
・LAVA=講師のサポートがあって、かなり丁寧にしどうしてくれる
という違いがあったんですね。
「LAVA」の無料体験に行った時は、特にサポートが丁寧で無理せずにできたので、今通っているところでサポートがない方は「LAVA
」に行ってみるのもありだと思います。
頻度を下げる
もし今ホットヨガを週2回の頻度で通っている方の場合、
週1回の頻度に減らしてみる
のも方法の1つです。
お仕事が忙しい方の場合、週2回の頻度でホットヨガを行っているとオーバーワークになる方もいるんですね。
そうすると頭痛が出やすくなることがあるので、もし「体がだるい状態が続いている」「なかなか疲れがとれない」と感じている方は、頻度を減らすと頭痛が改善するケースがあります。

こういった方法も参考にしていただくことで頭痛や吐き気の改善に役立つと思うので、ぜひ参考に実践していただければと思います。
ホットヨガで頭痛・吐き気が起こる原因と4つの改善方法のまとめ
今回は、ホットヨガで頭痛・吐き気が起こる原因と4つの改善方法について解説しました。
・頭痛の主な原因は、酸素不足
・無理な動きをすることで筋肉が硬くなる
・血流が悪くなることで、脳への酸素量が低下する
・こういったことが原因で、頭痛になっている可能性がある
・改善のためには、まず無理のないポージングに変える
・肩周りの柔軟性を高める
・栄養や水分を適切に摂取する
・こういった一連の流れができると、頭痛や吐き気を改善できる
こういった内容をお伝えしました。
今回の内容が少しでも悩んでいる方の参考になればうれしく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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